2008-02-10

協調した対策を出せなかったことはネガティブな材料--G7共同声明

久しぶりに日曜日に新聞を読んだ。普段は休日には新聞を読まない。読むのは平日の朝の電車の中。
G7の共同声明の中で何か材料になるモノはないか探してみた。

「世界経済はより不確実な環境に直面しているが、基礎的条件は引き続き堅固」
いまさらこんなコンセンサスは不要。基礎的条件(経済ファンダメンタルズ?)って何だろう。

「個別あるいは協調して適切な行動を取る」
こんな当たり前のことが、なぜ声明になるのか?
もし、具体的なことが話し合われたが、まとまらなかったと言うことであれば、それは何かを示して欲しかった。

「財務基盤が弱まっている金融機関の迅速な資本増強を促す」
政府系ファンドなどによる資金供給が迅速に行われているが、まだまだ足りないと言うことか。

証券化商品の評価価格の情報開示」
市場価格が付かない(つけられない)ことが問題となったのではないだろうか。
本当に適切な開示を迅速にできるのだろうか。
格付け会社の課題は忘れられたのだろうか。

「人民元の実効為替レートの上昇を促す」
欧州や米国経済にとって良いのだろうが、必要以上に中国の成長を阻害する要因にならなければよいが。
続くのはインドルピーやルーブルと言うことか。
デカップリング論が後退してしまった今は、その足を引っ張ることにならないことを祈る。

要するに、自分たちでできることは少ない、世界経済におけるG7のウエートが低下していると言うことか。結局、欧米金融機関の資本増強やクレジット市場への新マネー流入は、新興国やオイル産油国 頼み。そのためにも金融機関のディスクローズを進めて、そうしたマネーが流入しやすい環境を整備することが必要なのだろう。
額賀福志郎財務相については議長として、日本の立場をふまえて、いくつかの提言を積極的に行っていたようで好感が持てる。

金融市場に対して、G7が大きなインパクトを与えるものではないようだ。株式市場に期待していた参加者がいるとすれば、失望売りを誘う可能性がある。短期的な景気の減速が示唆されているように思う。株売りなら債券買い。それも米国債、欧州債。人民元上昇なら中国株売り。ドル/円は見方が難しいが106-108円を予想する向きが多いようなので、105円台に入れば買い始めても良いか。

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