2008-02-05

銀行からギャンブルのすすめ?--外貨定期預金キャンペーン--

 ある銀行から久しぶりに外貨定期預金のキャンペーンの案内が来た。
 米ドルで3ヶ月物5.5%(年率、税引き前)、1ヶ月物11.52%(同)で、他の銀行に比べて決して高いわけではない。
 こういうのに引っかかる人たちはどれだけいるのだろうか?
 高い金を出して新聞に広告も出していた位だからそれなりにいるのだろう。
 まして、円高に振れているこの時期(107円前後)だから、円安を読んでいるのだろうか。
 場口銭の高いギャンブルをすすめられているような気がしてしまう。

 1万ドルで1ヶ月物を買っても利息は96ドル。円投/円転が前提になっているので、円に直すと107円で相場が変わらなかったとしたら、手数料(片道1円)を取られて税金(20%)を引かれると、1万円以上損する計算になる。少しでも利益を出そうとするとドルは108円50銭ぐらいまで上がってもらわなければ計算が合わない。損益分岐点は1円以上のドル高と言うことになる。
 まして、1ヶ月物で11.52%
(年率、税引き前)を実現しようとすると109円と2円高くならなければ実現しない。確かに1円2円簡単に動いてしまうマーケットであるが、1ヶ月でこれを当てるのは至難の業だろう。

 金商法の影響でリスクと手数料についてはひととおりのことを書いてあるが、損益分岐点を示したのは見たことがない。これではルールを教えないでギャンブルに引きずり込もうとしているようにしか見えない。消費者が儲けようが損をしようが、銀行は為替手数料分(場口銭)は確実に儲かる。

 損益分岐点を示し、マーケットの見通しを述べたうえで、あなたも参加しませんか?、と誘ってほしいものだ。
 あるいは、円金利に比べた高金利を見せて引きずり込もうとするなら、「1週間物で50%」などと驚くようなキャンペーンをやってみてほしい。こうなるとFX(外為証拠金取引)の方が平和に見える。

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