2008-02-07

経済ファンダメンタルズとは何か?

 ロイターによると9日に東京で開催されるG7の声明は、世界経済について「一段と課題が多く不透明な環境にある」としながらも「経済ファンダメンタルズは依然として底堅い」と指摘するそうだ。その横で英中銀は政策金利を0.25%ポイント引き下げ5.25%にすることを決定した。今後も段階的に金利を引き下げる可能性が高く、年内に4.5%まで、来年上半期中に4.0%まで引き下げられるだろう、と言うことだ。景気下振れリスクと物価の大幅な上振れリスクへの対応が難しいらしい。

 ロンドン駐在の知り合いの話ではイギリスの物価高騰は激しく、市民生活が日に日に不安になっているという。地下鉄の一区間が(為替レートの影響もあるだろうが)日本円にして1000円を超えるという。かたやECBはインフレ率はあまり上昇していないとして政策金利を現行の4.0%のまま据え置いた。英政策金利はまだまだ高いと言うことだろうか。

 米国に代表される世界的な景気下振れリスクが、米国を発症源としたサブプライム問題の影響による信用収縮の影響が大きいとすると、少しぐらい金利を下げたぐらいでは回避できないのではないだろうか。信用力が低くなった借り手に見合った高金利で金を貸せなくなるため、より多くの破綻を招くことになりかねない。そして、その大きさが見えない。
世界同時株安の中で「経済ファンダメンタル」がどこにあるか見えない。

 このような状況で「経済ファンダメンタルズは依然として底堅い」と言えるのか。
 原因を作ったのは全てとは言わないが米国であると思う。自国のリスクを分散する目的でリスクを世界中に拡散させ、モノラインに問題を矮小化させているようにしか見えない。米国民にばらまき減税で消費を喚起しようとするのは勝手だが、世界的な信用収縮による景気後退と原油高に代表される物価高騰に責任を持ってもらいたいモノだ。

 政府の埋蔵金で米国債をしこたま購入している日本政府も明確にものを言って欲しい。 
 で、個人投資家としては、世界的な金利低下に拍手して米国債や欧州債の投信でも買っておこうかと思う。適当な投信を探してみよう。デカップリング論も後退しているので新興国債券も少し混ぜて。

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