2008-06-28

ヴラトコヴィッチ、公開講座&ミニコンサート



2008年6月26日
かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
主催:日本ホルン協会、共催:かつしかシンフォニーヒルズ

公開講座
R.シュトラウス ホルン協奏曲第1番
ホルン:根本めぐみ(東京芸大1年) ピアノ:遠藤直子

R.シューマン アダージョとアレグロ
ホルン:松坂隼(読響団員) ピアノ:居福健太郎

ミニコンサート
ホルン:ラドヴァン ヴラトコヴィッチ ピアノ:児嶋一江
P.デュカ:ヴィラネル
J.ラインベルガー:ホルンソナタ
アンコール
メシアン:「峡谷から星たちへ」より第6曲「恒星の呼び声」

日本橋から約40分の京成青砥駅、なれない電車でよくわからず押上行きに電車に乗ってしまい、押上で特急に乗り換えると超満員。今回はコンサートを聴きに行くだけだが、こんな電車で通勤したくないと思った。

会場に着くとそこにはすごい光景が。
N響の樋口さんが受付に立っているし、有馬さんや水野さん、吉永さん、田場さん、世川さん、福川君、・・・・、日本中のホルン吹きが集まってしまった、と言う光景である。そしてその生徒さん達を含み、多くの学生たち、聴衆は完全に二極分化していた。

最初に樋口さんが挨拶に立ち、今回のコンサートの趣旨を述べたあと、会場にいる全員で数日前にご逝去された元N響の千葉馨さんのために黙祷を献げご冥福をお祈りした。

公開講座最初の根本さんは、日本ホルン協会のソロコンクール(クラス別)で1位になったという。第1楽章を美しく伸びやかな音でロマンチックに演奏した。ヴラトコヴィッチは絶賛。ヴラトコヴィッチはR.シュトラウスの生い立ちと父の影響を丁寧に説明し、この曲の背景を理解させてくれた。

それから、彼女がF管を多用しているのを見て、F管の重要性を説いた。ダブルホルンではアーティキュレーションを含めていろんなF管の使い方ができるし、アメリカでは真ん中のCから下はF管で吹く、ドイツではCから下でもかなりB管を使うなど国によって使い方は様々だが、息の支えが必要なF管の吹き方は、ダブルホルンの吹き方には重要で、常にその吹き方をベースにしなければならないと強調した。

曲にはいると、まず、手書きの楽譜には冒頭にenergicoだけでなくrecitativoとも書かれていることを紹介した。だから、拍にとらわれずに呼びかけるように自由に、しかしオーケストラに続く最後の2つの2分音符はテンポどうりに、と言うわけだ。これは勉強になった。

彼女はそのアドバイスを的確にこなしていく。途中、ピアノで音色を少し暗く変えるように要求があった。ヴラトコヴィッチはいくつかの方法があるという。音程に影響が出ない範囲でベルに手をかぶせる、口の中を広げて舌を後ろに持って行く、などだそうだ。今度一度やってみよう。

また、ピアノで柔らかく分散和音を駆け上がるフレーズの吹き方では、息をたっぷりと使うためにマウスピースだけで練習する方法を提示してくれた。自分にできるかどうか解らないが今度やってみよう。あと、3連符の続くフレーズ。クラリネットやファゴットも一緒に演奏していることを認識して、テンポは速くならずに正確に、しかも音を立ててはっきりと強調して演奏することを要求した。

アダージョとアレグロを演奏した根本君は、美しい音だが小さなダイナミクスであまり抑揚がなくアダージョを演奏した。あまり面白くなかった。ヴラトコヴィッチはバルブホルンの歴史に簡単にふれた上で、シューマンンのロマン的な音楽について丁寧に説明した。この音楽の持つ感情を音にして会場のお客さんに伝えなければならないのだ、と。

ヴラトコヴィッチの演奏は素晴らしかった。ヴィラネルとラインベルガーのホルンソナタは、ホルンのソロの曲ではポピュラーで、学生も試験の曲として良く演奏する。そのお手本を示す意味もあったのだろう。ヴィラネルの最初はナチュラルではなく、全てヴァルブを使って演奏した。やはりこの方が美しい。デュカは試験曲としてナチュラルを指定したんだろう。ラインベルガーは、以前吉永さんの演奏を聴いて良い曲だと思ったが、ヴラトコヴィッチのダイナミックでしかもロマンティックで雄大な曲想には、ずっと引き込まれてしまった。

アンコールは、昨夜、東京文化での曲と同じメシアンの「渓谷から星へ」であった。しかし、昨日のとは、何が違うのか解らなかったが、少し印象が異なり親しみやすく聞こえた。自分が曲を覚えたからなのか、ヴラトコヴィッチが公開講座の中で言っていたが、演奏する場所によって吹き方が違うからなのか。

2日間のヴラトコヴィッチの追っかけだった。妻はその前日に阿部麿くんのコンサートに行っているのでホルン3連チャンだった。

2008-06-27

6503三菱電機、通信機製作所もがんばっているようだった。



三菱電機(株)は、2008年6月27日、丸の内にある東京ビル4階の本社会議室で株主総会を開催した。300名以上は入るだろうという大きな会議室で、普段は仕切って使っているのだろう。

開会前には前方スクリーンで、国内と海外で放映しているテレビCMを映していた。定刻の10:00に下村社長が開会を宣言。席は7割方埋まっていた。株主総会ピーク日なので出席者が少ないのだろうか。

定足数の確認と監査報告のあと、事業報告があったのだが、全てビデオで事業報告書を図式化したものを映し、ナレーションは事業報告書を読み上げるだけ。対処すべき課題になって初めて下村社長が説明した。
その後、北海道支社での公取委立ち入り検査にかかるお詫びと再発防止策の徹底を図るというコメントで、全役員が頭を下げた。

株主の質問は、新任取締役候補の予定業務、配当性向、今期の業績見通し、個別取締役の報酬の開示、株主優待、よくわからなかったがコンプライアンスの問題について、など5件。多くは下村社長ではなく担当の取締役が答弁した。木で鼻をくくったような答弁だったが、株主優待については、他社にはなく明確な回答だった。株主還元は、まず第一に配当、次に企業価値の向上で、株主間の不公平に当たる株主優待は行わない、という。これが正解だろう。記念品もなかった。

議案は、取締役12名選任の件のみ。11:00には終わってしまった。
終了後、別室で製品の展示・紹介を行うという。せっかくだから父親が勤務していた通信機製作所の製品を紹介してもらおうと思って、案内担当者に聞いてみた。テレビや洗濯機は、現物が展示してあるが、他は、パネル表示だけ。

通信機製作所の製品はレーザー測定装置?のパネルを紹介してくれた。他にもいろいろあるけれども、こういう形で紹介できるものは少ないと言うことで、製品名などを聞いてもよくわからなかったが、三菱電機のコア事業のひとつとして収益を上げているとのことだ。

富士山測候所のレーダーや秋吉台の衛星通信アンテナなど、私が子供の時(40年近く前か?)に父から聞いた話をすると、喜んで話を聞いてくれ、そのころの伝統や技術はまだ伝承されていると胸を張っていた。明日、父に会いに行くので(解らないだろうけれども)報告することにしよう。

2008-06-26

3402東レ、炭素繊維と環境が今後の原動力に。


東レ(株)は、2008年6月26日に東京国際フォーラム ホールCで株主総会を開催した。世界でトップシェアの炭素繊維複合材料の用途拡大と、世界第4位の水処理関連事業の拡大を原動力にして、ROA(総資産営業利益率)を8%、ROE11%を目標にすると説明した。株主からの質問の中でボーイング社の納入延期についてはすでに織り込んでいると答えた。

心配していた雨は降り出すこともなく、東京国際フォーラムに到着、東レの株主総会の案内と並んでホールAでのみずほFGの株主総会も案内していた。サブプライム損失など問題をいくつか抱えたみずほFGの株主総会はどんな風だろうと、その方向に向かう出席者らしい人たちを目で追いながら、時間の迫ったホールCに向かった。

10:00の開始時点で1階席は満席で、2階席に座ることになった。他の株主総会と異なるのは、壇上の席にパソコンが置いていないことだ。これまで見たところはどこも株主総会システムを活用していた。しかし、ここのテーブルの上は紙の資料だけだった。
事業報告は柳原社長が説明した。スライドを使って見やすさを工夫していたが、内容は、総会資料を読み上げるだけだ。いっそのこと全てスライドとナレーションで機械的に報告する方が聞きやすかったのではと思う。ここまででわずか30分だ。これだけたくさんの事業を行っているにしては、ずいぶん簡単にしたものだ。

株主からの質問は、まず、誰もが業績への影響を気にしているボーイング社の納入延期問題だ。柳原社長は、ボーイング社とのコミュニケーションは充分で、ある程度予算には織り込み済み、大きくぶれることはないと答えた。しかし、納入延期だけでなく、航空機需要の減退にまでつながらなければいいが、と心配は残る。

次の質問は、株主還元に関するもの。前日のコマツの株主総会での質問と全く同じ。たまたま同じ株主か、総会屋グループみたいな組織がアピールのためにやっているのか。
配当は同業他社と較べても少ないが、一時的に配当を増やすわけにはいかないだろうから、自社株買いをやって株主に還元しろ、その方がROE向上にも寄与する、資金需要にはデット・ファイナンスで対応しろ、というもの。
コーポレートファイナンスの入門編をなぞったような質問だ。東レの持つキャッシュは運転資金で何十日分にしかすぎないと財務担当役員は説明したが、せっかくキャッシュフロー計算書が掲載されているのだから、充分に分析してから発言したらどうだろうか。財務構造をどう強化していくか、経営者も明確に答えて欲しかった。

株主からの質問は全部で13件ぐらいだったか。配当金など株主還元に関わる質問も何件かあった。なかでもあきれたのは、コーヒーぐらい出したらどうか、懇親会で昼飯を食わせろ、毎年代わり映えのしない記念品ではなくもっと良いものをくれ、株主優待を導入しろ、というもの。経営者からいろんな話が聞ける充実した懇親会ならともかく、一部の個人の少数株主を優遇するような株主還元は、市場にとって迷惑な話だ。投資信託を買っているし年金も運用されている。小売業や消費財メーカーなどであれば少しは良いだろうが、いい加減にやめて欲しい。

あと、感じたこと。昨日コマツの株主総会で感じたことと逆だ。すでに東レは世界を相手にビジネスをしている。繊維だけでなくハイテク素材産業になっている。にもかかわらず比較したり参考にしたりするのは、国内の繊維産業の企業。なぜ、株主の質問や経営者の説明の中でデュポンや3M、Hexcel、・・・が競合として表れてこないのだろう。今後、アジアや中東を初めとして世界中を市場としてビジネスを行うことをさんざん説明し、それを収益源にしていくことが期待されている。何か、違和感を感じた。

その後、議案5件を採決して、あっさりと終了。なにか、あまり内容のない株主総会だった。

株価は下がっているが、当面、hold。

2008-06-25

ヴラトコヴィチ、ペンデレツキのホルン協奏曲を日本初演



2008年6月25日(水)東京文化会館
指揮 クシシトフ・ペンデレツキ
ホルン ラドヴァン・ヴラトコヴィチ
管弦楽:東京都交響楽団
第665回定期演奏会Aシリーズ

ペンデレツキ 弦楽のための小交響曲
ペンデレツキ ホルンと管弦楽のための協奏曲「ヴィンターライゼ(冬の旅)」
(アンコール)メシアン:「峡谷から星たちへ」より第6曲「恒星の呼び声」
メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」

先月のシューマンの4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥク(芸劇)を聴きに行って、また、都響を聴きに来てしまった。ヴラトコヴィッチだもん。明日は公開講座&ミニコンサートatかつしかだ。

一曲目、弦楽のための小交響曲は、ふうんというよくわからなかった。聴きやすかったのか2楽章ではうとうとしてしまった。でも、ホルン協奏曲は、楽しかった。ヴラトコヴィッチだからと言うのもあるかもしれないが、ロマンチックで陰影のはっきりした、でも優しい感情の曲。そのうちCDがでないものか。

アンコール。
最初にヴラトコヴィッチが、元N響のホルン奏者で数日前にご逝去された千葉馨氏に献げると挨拶して、演奏された。曲はメシアン。どこかで聴いたことのある気がしたが良く覚えていない。でも、ホルンの演奏技術と演奏効果を最大限に生かした、あるいは全てを駆使したような曲で、楽しかった。

そしてスコットランド。ペンデレツキの解釈なのか都響の演奏の特徴なのか、いままでこの曲の暗く鈍重な曲のイメージを持っていたのだが、イメージが全く違う。構成感がはっきりして、わかりやすい。明るく明快なリズム。それでいてロマンチック。(行ったことはないが)6月のスコットランドはこんな感じなのか、と想像できるようだ。



2008-06-24

6301コマツ、6期連続の増収増益

絶好調の業績をあげる(株)コマツは、6月24日に都内赤坂の本社近くのANAインターコンチネンタルホテル東京で、株主総会を開催した。

OB社員も多く参加している様子で、「ご無沙汰しています、」「お宅の息子さんは今どこの部署ですか?」、・・・、そこここでミニ同窓会のように挨拶を交わす様子が心温まる光景であった。こういう会社は良いなあ。

受付では早速記念品をくれた。ヤンキースの松井選手のサイン入りのあおだもの木を使ったボールペン。良いセンスだ。中学で野球をやっている甥っ子にあげたら喜ん でくれるかもしれない。そして、始まる前のステージでは、松井選手を登用したCMのメイキング映像が上映されている。ディレクターの要求に応えて何度も ポーズを取る松井選手の姿に好感を持った。
努力と誠実、松井選手の人柄とその実績をコマツにだぶらせる、良いイメージ戦略だ。

10:00定刻に株主総会は開始した。しかし、後ろの方の席では、まだ、多くの来場者が席に案内され、まだ着席していない。案内の声が響く。第二会場第三会場が用意されていると言うが、その中で、「定刻ですので、・・・」と野路社長は開会を宣言してしまった。強い違和感を感じた。

定足数の確認と監査報告に続いて、事業報告があった。過去最高の、しかも6期連続の増収増益だ。絶好調と言っても良いだろう。逆にピークはいつ来るのだろう と心配になる。中国、その他地域、欧州が牽引し、北米は落ち込んだと言うが、まだまだ需要は続くので、伸び率が下がることはあっても、まだ持続するのだろ う。

しかし、説明を聞いていると、これはどこの会社だろうと思う。世界を相手にビジネスをしているのだ。日本は単にその一つにすぎない。比較するのもキャ タピラーやVolvoだ。全て野路社長が説明したが、スライドを効果的に使ってわかりやすかった。
今期の業績予想についても、明確に説明した。決算短信と 同じ内容だったと思うが、原材料費の高騰などの影響で売上高営業利益率は若干下がるが、増収増益は、まだ続く。

株主からの最初の質問には驚いた。株主還元姿勢についての質問だ。配当を上げるのが難しければ、豊富なキャッシュを持っているのだから自社株買いをやれ、資金需要が生じたらデット・ファイナンスをやれ、その方がROE向上にも寄与する、と言う。コーポレートファイナンスの入門編を引っ張り出して勉強したのだろう。これでは単なる個人アクティビストだ。

キャッシュフロー計算書を見てもこれだけ資金需要の大きい企業だ。需要が増加し成長が続いている 時期にキャッシュをはき出したら機動的な事業運営ができなくなる。機会損失につながるのだ。それでなくでも原材料の高騰が予想される中で、事業継続に支障をきたす恐れも出てくる。 配当を減らしてでも、内部留保を高め、企業価値の向上を図ってくれ、と言うような議論はできないものか。

質問は最初のものを含めて8件程度だったか。経営の国際化への対応、ロシアリスクの回避策、キャタピラとの競合の状況、BRICs以外の新興国での市場シェ ア、ストックオプションの行使状況、CO2削減・環境への対応、無人の鉱山機械の普及度、など興味深い質問が多く、勉強になった。野路社長からの回答も、 あらかじめ準備したスライドを適切に使い、わかりやすく説明された。

無人の鉱山機械には驚い た。チリの銅鉱山では露天掘りの深さ700メートルの巨大な穴から、300t積みの何10台もの巨大無人ダンプトラックが、運び上げてくるそうだ。労働環 境が悪いので無人にせざるを得ないというが、GPSで自立的に制御して運転されているという。すでにオーストラリアのリオ・ティント等でも導入が決まって いるそうだ。

結局、12:00頃に終了。出席者が多いので、混乱のないように順番に退室を 案内される。懇親会があるという。聞いてみたいこともあるので寄ってみようかと思ったが、ロビーや他の宴会場にビュッフェが用意されているだけ、たくさん の人が群がって食べている。懇親会と言っても経営者と懇談できるのではないらしい。狭いところでひとりで食べる気もなかったので、そのまま帰ることにし た。単に、昼だから飯でも食っていって下さい、と言うような懇親会はいらない。

当面、hold、下押したらbuy。

2008-06-20

4523エーザイはMGI買収でガン治療薬分野に大きく舵を切った

大型M&Aは打ち止め、2011年には売上高1兆円、2016年には1.5兆円を目指す。

エーザイ(株)は、2008年6月20日、株主総会を開催した。

今 後、日米で市場の拡大が見込めるガン治療薬のMGIを買収したことで、ガン治療薬へ大きく舵を切り、大きな収益源のアリセプトやパリエットの特許期限切れ による売上減少をカバーしたうえで、2011年の売上高は2007年比2000億円増の1兆円、配当140円、2016年には売上高1.5兆円、配当金 210円を目指す。MGIのガン治療関連薬の豊富なパイプライン(新薬候補)が収益源になるという。

IRに熱心な会社、本当に株主を大切にしてくれていると感じる
5 月下旬早々に株主総会の招集通知が送られてきた。それはなんとB5版2色刷240ページの大作。昨年にも増して内容が充実している。取締役候補者の写真入 りの一人1ページのプロフィールから始まって、図表入りで出来るだけ詳しく、わかりやすく伝えようと言う意志が伝わってくる。企業集団の現況と題された業 績の概要および経営方針は、他社では1~2ページぐらいで曖昧に書いているところが多いが、60ページ以上を割いている。これだけ書いてあれば、株主総会 で聞くことはないのではないかと思うぐらいである。4000億円でのMGIの買収によりキャッシュの創出力がどうなるかが知りたいポイントであるが、 キャッシュインカムという考え方を使ってわかりやすく説明してある。心配はなさそうだ。

1000人以上の株主を集めた巨大株主総会
今年初めて本社以外の場所で株主総会を行うそうだ。水道橋駅の改札を出たところから案内スタッフが立ち、声を掛けてくれる。徒歩数分のJCBホールというと ころで開催される。ホールの前では、なぜ私がスモーカーだとわかったのかわからないが、中に入るとたばこが吸えないと案内された。しかたなく敷地内の喫煙 所でたばこを吸った。関係ないがそこには驚きの風景があった。数百人のおばさんがプリズムホールの前で並んでいるのだ。聞いてみるとシャネルのバーゲンだ ということだ。どこが不景気なんだろう。 会場はコンサートホールのようなところで地下3階ま で降りていくアリーナ席と3段のバルコニー席があり、随所に案内スタッフがにこやかに迎えてくれ案内してくれる。1000人以上は入っているだろう。年配 の男性が多いが、年配の女性も結構いる。ここ2年で個人株主数が2倍に増えたと言うことだから、高値で買った人が半分ぐらいいるのかもしれないなあと思い ながら、会場を見渡してしまった。

スライドを使ったわかりやすい事業報告と経営方針の説明
10:00 開始であるが、取締役の着席時に一人ずつ紹介され、立礼に対し拍手で迎えられた。これは良い、株主は経営者を信頼しているのだと思った。定足数の確認と監 査報告に続いて、内藤社長から事業報告と当面の経営方針について説明があった。既に配布されている資料の補足説明と言うことだが、スライドを使って約40 分のわかりやすい説明だった。しかし、そこでは、TDnetで公表した業績見通しや資料に書いてあったり既にメディアで報道されている以上の見通しを説明 された。

キャッシュインカムの3分の1を配当する方針に
要する に稼いだキャッシュの3分の1をMGI買収のための借入金の返済に、3分の1を設備投資と内部留保に、のこりの3分の1を配当に回すという。簡単に計算で きないが配当性向や純資産配当率はかなり高位に保たれることになる。ただし、キャッシュを稼ぎ続けられることが前提だが。おそらく、ここ数年は大丈夫だと 踏んでいるのだろう。

株主からの質問は、ざっと20件。ほとんどが好意的な質問。株価や配当に 関する強い要求は個人アクティビストのような株主の質問一件のみでほとんどなかった。後発薬への対応、次期大型新薬の可能性、日本市場での売上の見通し、 為替変動や原材料費高騰による収益へのインパクト、欧州事業の現状と展望、循環器系への取り組み、・・・・、みんな事業を良く理解していると感心した。

終 了後、出口で名札を返すと、おみやげをくれた。自社製品が入っているようだ。ドリンク剤とクリームとエコバッグ。私には必要がないが妻は使うかもしれない ので受け取った。また、天気が悪くなりそうなので、ご入り用でしたらどうぞとビニール傘を差し出されたが、持っているので不要、と受け取らなかった。来客 への気遣いだろう。患者や医療関係者への気遣いに通じるものがあるのだろう、うれしい気分になった。

当面は、Buy,強いBuy。

2008-06-19

石油や食料の高騰と生活防衛

 
ガソリンが高くなったなあ。170円である。カードで1リットル2円値引きも焼け石に水になった。小麦などを使った食品も値上げされている。「お菓子を作 ろうと思ったがバターが売っていない」と妻が怒る。少し問題は違うが、そのうち高値で売り出されるのだろう。石油や食料だけでなく輸入に頼る様々なものの 値上げがひかえているようである。値段が上がらないのは我々労働者の賃金ぐらいか。

我が家は妻 と二人の生活で、これまでもあまりガソリンも食品も消費していないので、今のところ生活が圧迫されるところまではいっていない。別のところで節約を考えな ければ、と思っている程度だ。しかし、車が必需品で、家族の多い家庭ではこれから大変だろう。また製品価格に転嫁できない企業にとっても収益の圧迫要因に なる。

ある消費財メーカーに勤めている40代の人から話を聞いた。小学生、中学生、高校生の3 人の子供と父母を含めて家族7人。主に送り迎えと買い物に車を使い、毎週給油するガソリン代は40%近く増えて月に数万円、駅までの一人ずつの送迎を時間 を調整して出来るだけまとめて送迎するようにしたという。おかげで早く家を出るようになり、家族の目があるのでいい加減な時間には帰れなくなったという。 家族全員で週に一度近所のスーパーでまとめて買い物、価格の安いプライベートブランドを買う機会が多くなったという。そして、他の支出を抑えるために真っ 先に削ったのは週に一度のファミリーレストランでの外食。「お母さん休め」のつもりだったがお母さん自ら始めた。その他、たくさんの改善や工夫があるらし い。ただ、これまでエコロジーや節約術で言われていたが、単に実行していなかっただけと言うことらしい。

こ れだけの工夫をしても支出は明らかに増えているという。今までのデフレの時代はどこに行ったのか。物価が上がると賃金も上がらなければ国民生活が悪化す る。しかし、消費財メーカーでは原材料費や運送費などのコストアップを価格に転嫁できず、収益は減少を続けているという。これでは給料も上がらない。消費 の減少が値上げができる産業以外の産業も直撃し、日本の経済成長はおぼつかなくなる。スタグフレーションだ。経済的格差が広がって社会がますます不安定に なるおそれもある。

同じようなことが起こったのが、私の高校時代の1970年代前半の第一次石油ショック。
ト イレットペーパーの価格高騰やテレビの深夜放送の中止などがあったことを覚えている。ものが高くなったことは母親が毎日のように嘆いていたし、車で通勤し ていた父親は一時的に電車通勤に切り替えていた。消費者物価指数が23%上昇し「狂乱物価」と呼ばれていたらしい。その後、第二次石油ショックを経て、よ うやく石油価格が下がり、省エネルギーや代替燃料の普及などをあわせて経済は平常に戻ったという。

「第三次石油ショック」と呼ばれた今回の場合はどうなるのだろう。石油と食料の価格バブルがはじけて、元に戻ってくれるのだろうか。私も、将来の老後の生活に心配が出てきた。

2008-06-18

たばこ税とタスポ騒ぎ

 
私は一日20本以上のたばこを吸うヘビースモーカー。最近たばこを吸える場所が少なくなったのでここ数年本数は減ってるが。
でも、たばこ税値上げで1箱1000円になってもかまわない。少しは吸う本数が減るかもしれないけど。惰性で何本も吸うのではなく、1本を大事に味わって吸うようになるだろう。
でも、タスポは当面使いません。自動販売機で買うのやめます。コンビニやたばこ屋さんで買います。タスポのおかげでコンビニはほくほくのようだ。

数年前にニューヨークに行ったとき、ホテルのスモーカー用のバーで「日本はスモーカーにとってパラダイスですね、でも街の中で吸うと罰金を取られるようになったら大変だね」とバーテンダーに同情された。東京都千代田区で路上禁煙条例が発表された時期で、アメリカのメディアでも大きく取り上げられたようだ。ニューヨークでは建物内は禁煙が徹底されているが路上ではたばこが吸える。オフィスビルの前ではスモーカーが群れになってたばこを吸っている姿が見られる。その周りはたばこの吸い殻だらけだった。

そのころブルームバーグ市長はニューヨーク市の改革の一つとして、たばこの値段を日本円で1000円を超える価格にした。そしてそれを財源にして市内の清掃事業を始めた。その結果、街中がきれいになっただけでなく、街角でたばこを吸う人も減った。それだけでなく、清掃員の雇用を創出し、ニューヨーク市経済の改善と治安の向上に寄与したと言うことだ。市民には高く評価され強く支持されたようだ。

いままで日本のたばこは安すぎたのだろう。20本で300円、一説によると専売公社時代のJTが、低所得者や子供でも小遣い銭で買えるような価格に抑えたいということで、この価格レベルになったという話もある。なんでも値上げに反対するような人がいるが、私は別に反対しない。生活必需品でもないので、高くなればそれだけに考えて消費するだけの話だ。

しかし、政府は国民の健康改善や医療費の抑制、環境改善などの社会的コストの削減に寄与すると言うが、そんな合理的に計算できない理由を振り回さないで欲しい。まして、消費税の増税が政治的に難しいからその替わりに選挙民の支持を得やすいたばこ税、と言う議論は本末転倒だ。社会福祉財源に使うというのは良いしもっと充実してほしいと思うが、目的税化すると目的を達成したときに減税せざるを得なくなるのでそれと結びつけるのは無責任きわまりない。もっと単純に、「たばこ税を増税します。その効果はよくわかりませんが、財政の改善効果はこれだけ見込めます。その結果、社会福祉はこれだけ充実する予定です。」と素直に提案して欲しいものだ。

でも、タスポは当面使わないことにしようと思う。コンビニや (少なくなったが)たばこ屋さんで買えばすむ。自販機しかないところではあきらめるかもらいたばこで十分。住所や写真など個人情報を提供して、たばこを買うたびに管理されているようで気持ち悪い。なんで「私はたばこを吸います」「どこでいつたばこを買いました」と報告しなければならないのか。たかがたばこに、である。

また、導入の目的が未成年者の喫煙防止だと言うことらしいが、どれだけ効果があるのかわからない。すでに、カードを貸し出したり使い回したりしたケースが報道されている。未成年者が買えないような価格にすることの方が効果は大きいように思う。そんなにたばこを吸って欲しくないのであれば、どんどん値上げをして本当の贅沢品にしてしまったらどうだろう。たばこ税値上げの方が、はるかにスマートな気がする。

私の高校時代はたばこは20本で100円。高校生にとって安いとは言えないが手の届く価格だったのだろう。たばこに興味を持った私は、小遣いでたばこを買うようになった。大事に吸っていたような気がする。いろんな銘柄を試したりした。格好をつけていた面もあっただろう。「今日も元気だたばこがうまい」などと言っていたが、本当にうまいと思っていたかどうかは良く覚えていない。とうとう学校の中で吸っているのを見つかって、短期間だが高校を停学になったこともある。きっと、手の届かない価格だったら、そんなことはしていなかったと思う。

2008-06-17

遅々として進まない我が家の防災対策


災害は忘れる間もなくやってくる?

最近、不幸な自然災害のニュースが、報道について行けないほど続いている。

5月初めのミャンマーのサイクロン被害。
最 初は、何が起こったのかよくわからず、ニュースを見ながらGoogle Earthを見て、低湿地帯(ラングーンと言うらしい)を台風が直撃し、農村地帯に甚大な被害を出し、孤立した地域が多いのだろうということがわかった。 ミャンマーの軍事政権や制憲選挙については良く理解できなかったし、被害者にどれだけ支援が届くかわからないけれども、少しでも届くならと思って赤十字の 募金などに少しずつ応募した。

テレビで見た日本円にして年間4万円の所得で生活しているとい う人々。ミャンマーについてはほとんど知らない。戦中戦後の日本軍兵士の話を描いた「ビルマの竪琴」(ストーリーはほとんど覚えていない)や、アウン・サ ン・スーチーさんの名前ぐらいしか覚えていない国だ。何もできない自分だけれども、ほんの少しの経済援助ができるのはこれぐらいしかないか。

そんなことを考えていると、5月中旬には中国四川の大地震の報道が。
早速、新華社の英文サイトを見るが(英語がよくわからないこともあり)よくわからない。日本から進出している企業にも影響があるかと思い大手小売業や自動車メーカーなどのホームページをいくつか見るが、よくわからない。

チ ベット問題やそれに続く北京五輪の聖火リレーに見る中国の混乱ぶりには少しあきれていたのだが、一転して中国の農村や山岳部の低所得層や支配民族の生活な どがかいま見られるようになって、都市部の市民生活との隔たりがクローズアップされているような気がした。しかし、想像のできない被害のようだ。

そしてその一ヶ月後6月14日(土)、岩手・宮城地震。
朝ご飯のあと、ぼーっとテレビを見ていると「地震警報」の文字が。「岩手県」と書いてあったので、「ああそう」と思っているとすぐに「地震発生」のニューステロップが表れた。
当初のニュース報道では被害報道は少なかったが、時間がたつほど拡大した被害がわかってくる。この日と次の日曜日はテレビとネットでの被害報道に釘付けになってしまった。

経済への影響があるかと思って、この地域での生産設備を持つ企業や小売りチェーンの情報を集めようとしたが、よくわからなかった。
イオン株やトヨタ株を保有しているので、株価への影響も気になる。どうも、土日で一通りの対応を終え、残った企業が週初に対応がずれ込んだだけのようだ。

しかし、被災した市民は、避難所生活が当分続くという。
私 は当時(今も)神奈川県に住んでいたので阪神大震災には遭遇しなかったが、両親は実家で被災。住居などへの直接の被害は少なかったようだが、頻発する余震 で神経を刺激された母親が翌年に(高脂血症ということらしいが)亡くなった。このとき、電話が通じたのは夕方19:30頃だが、パソコン通信と前年から始 まった商用インターネットの情報網でかなりの情報を得た。ネットの普及が被災地以外での情報流通に大きな役割を果たしたように気がする。

少しネットで調べてみると、私が高校生時代の1970年代前半には日本国内でも大規模な自然災害があったようだ。
・1974年5月9日、伊豆半島沖地震、M 6.9、静岡県で最大震度5、死者30人。
・七夕台風、昭和49年台風第8号は1974年7月6日から7月8日にかけて太平洋側を中心とする九州から関東の29都府県下で梅雨前線を刺激して大雨を降らせ、多大な被害を出した、死者145 名。
・1974年9月 多摩川水害、堤防決壊で19戸が流出。
このうち、多摩川水害については、テレビで何度も放映された映像を見てその恐ろしさを感じた覚えがある。そして、数年前に家を建てた両親が、住み家や財産を失われる驚きと恐れを感じたような記憶がある。

自然災害は、さけることができないのだろうが、ある程度自衛できるという。
新聞や雑誌によると、まず、自立のための水と食料、最適な避難場所の確認と確保、雨露をしのぐ設備、・・・、など、たくさんのことを指摘されるが、「どこから手をつけよう」と思うばかり。
重ねて置いたリビングの食器棚や本棚の天井に「突っ張り棒」を設置しろと言われて何年になるだろうか。会社では帰宅支援グッズが配布されたが、会社のビルにいる方が安全かもしれないと思いながら、帰宅ルートも確認していない。
今回も妻と「そろそろ我が家も災害対策が必要やなあ」と会話するだけに終わってしまった。

こんなことを考えているうちに
中国南部で大水害の報道があった。アメリカ中西部の洪水による損害のニュースも飛び込んで来る。
テレビの中で見る出来事が、自分にも降りかかってくる可能性があることは、わかっているのだがなかなか行動できない。こういう自分たちが結果として被害を拡大させるのだろう。
災害は、「忘れた頃にやってくる」と言うことわざがあったが、最近では「忘れる間もなくやってくる」あるいは「ついて行けないうちにやってくる」と思っておこう。