2008-06-19
石油や食料の高騰と生活防衛
ガソリンが高くなったなあ。170円である。カードで1リットル2円値引きも焼け石に水になった。小麦などを使った食品も値上げされている。「お菓子を作 ろうと思ったがバターが売っていない」と妻が怒る。少し問題は違うが、そのうち高値で売り出されるのだろう。石油や食料だけでなく輸入に頼る様々なものの 値上げがひかえているようである。値段が上がらないのは我々労働者の賃金ぐらいか。
我が家は妻 と二人の生活で、これまでもあまりガソリンも食品も消費していないので、今のところ生活が圧迫されるところまではいっていない。別のところで節約を考えな ければ、と思っている程度だ。しかし、車が必需品で、家族の多い家庭ではこれから大変だろう。また製品価格に転嫁できない企業にとっても収益の圧迫要因に なる。
ある消費財メーカーに勤めている40代の人から話を聞いた。小学生、中学生、高校生の3 人の子供と父母を含めて家族7人。主に送り迎えと買い物に車を使い、毎週給油するガソリン代は40%近く増えて月に数万円、駅までの一人ずつの送迎を時間 を調整して出来るだけまとめて送迎するようにしたという。おかげで早く家を出るようになり、家族の目があるのでいい加減な時間には帰れなくなったという。 家族全員で週に一度近所のスーパーでまとめて買い物、価格の安いプライベートブランドを買う機会が多くなったという。そして、他の支出を抑えるために真っ 先に削ったのは週に一度のファミリーレストランでの外食。「お母さん休め」のつもりだったがお母さん自ら始めた。その他、たくさんの改善や工夫があるらし い。ただ、これまでエコロジーや節約術で言われていたが、単に実行していなかっただけと言うことらしい。
こ れだけの工夫をしても支出は明らかに増えているという。今までのデフレの時代はどこに行ったのか。物価が上がると賃金も上がらなければ国民生活が悪化す る。しかし、消費財メーカーでは原材料費や運送費などのコストアップを価格に転嫁できず、収益は減少を続けているという。これでは給料も上がらない。消費 の減少が値上げができる産業以外の産業も直撃し、日本の経済成長はおぼつかなくなる。スタグフレーションだ。経済的格差が広がって社会がますます不安定に なるおそれもある。
同じようなことが起こったのが、私の高校時代の1970年代前半の第一次石油ショック。
ト イレットペーパーの価格高騰やテレビの深夜放送の中止などがあったことを覚えている。ものが高くなったことは母親が毎日のように嘆いていたし、車で通勤し ていた父親は一時的に電車通勤に切り替えていた。消費者物価指数が23%上昇し「狂乱物価」と呼ばれていたらしい。その後、第二次石油ショックを経て、よ うやく石油価格が下がり、省エネルギーや代替燃料の普及などをあわせて経済は平常に戻ったという。
「第三次石油ショック」と呼ばれた今回の場合はどうなるのだろう。石油と食料の価格バブルがはじけて、元に戻ってくれるのだろうか。私も、将来の老後の生活に心配が出てきた。
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